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梅雨のある日のバス停で
公開日: 2008年07月01日
先日、取材で飯塚に行った時のことです。
その日は降水確率100%!朝から雨が断続的に降り続き、傘の手放せない日でした。
雨宿りのないある停留所でバスを待っていると、70〜80代くらいのおじいさんがやって来ました。遅れ気味のバスを待つ間、昇降状態の雨が大降りになり、こんな日に傘も持たずにやって来たおじいさんは、見る間に雨に濡れていきました。「よかったら…」と傘を差し出すと、「ありがとう」といって、申し出を受け入れてくれました。
相合い傘で待つこと5分程、無事バスに乗り込み、お礼を言いながらおじいさんは椅子に腰掛けました。
(ハンドルネーム:おしげ)
10分後、飯塚バスセンターに到着し、バスを降りる時、今度はとても重そうな荷物を持ったおばあさんが、降りられなくて困っていました。すると、そのおばあさんのすぐ後ろに並んでいた先ほどのおじいさんが、「わしが持ってやるよ」といって、手伝いはじめました。それでも大変そうだったのですが、狭い降車口、どうにも手を出すことができず、ハラハラとしながら見ているしかありませんでした。ふと停留所を見ると、50代くらいのおじさんと60代くらいの女性が、その様子をじっと見ていました。「手伝ってあげればいいのに…」と思いながら、なんとか降りることが出来たおばあさんは、あまりの荷物の重さに、動けずにそこでまごまごしていました。そこへ60代くらいの女性が一言、「早くどかんと邪魔でしょ?」
信じられない一言にも、おばあさんは腹を立てた様子もなく、「ごめんなさいね」といいながら一生懸命荷物を移動させていました。
その日はとても複雑な心境で飯塚をあとにしましたが、ちょっとした心配り、忘れないようにしたいな、と思いました。